丸洗いとしみ抜き

丸洗いとしみ抜きとは

丸洗いとは、丸刷毛と揮発性の専用の溶剤で全体的に汚れを落とすことをいいます。
しみ抜きとは、丸刷毛と揮発性の専用の溶剤で部分的に汚れを落とすことをいいます。
汚れのひどさや原因によって使う溶剤が変わります。
どちらもおきものの形のまま汚れを落とすため、お手入れ後はそのまま着ることができます。

丸洗いとしみ抜きの手順

  1. おきものの受け取り
  2. お客様から丸洗いとしみ抜きを行うおきものを受け取ります。 汚れの状態から、汚れの古さ、原因などを調べ、落ちそうかどうかお客様にお伝えします。
  3. 汚れている場所の確認
  4. おきものを広げて、汚れている箇所を入念に確認します。
  5. 汚れが落ちるか確認
  6. 古い汚れや色が出そうな場合、丸洗いやしみ抜きを行う前に、汚れが落ちるか確認します。 目立たない部分でしみ抜きを試してみて、汚れが落ちない場合や色が出る場合には、返品となります。
  7. 丸洗い
  8. おきものを丸刷毛と専用の溶剤で全体的に汚れを落とします。
  9. 乾かす
  10. 丸洗いで汚れを落としたおきものを乾かします。
  11. しみ抜き
  12. 丸洗いで落ちきらない汚れを丸刷毛と専用の溶剤で部分的に落とします。 汗による汚れは水性の溶剤、油汚れは油性の溶剤というように、汚れの原因によって落とし方が異なります。 水性の溶剤を使う丸刷毛は馬の毛、油性の溶剤を使う丸刷毛は植物でできています。
    ★こだわりポイント!!
    当店の丸洗いとしみ抜きは、すべて手作業で行っています。おきものの汚れを細かく確認しながら、 熟練した職人が一枚一枚丁寧に仕上げております。
  13. 乾かす
  14. しみ抜きで汚れを落としたおきものを乾かします。
  15. 地直し
  16. カビによる黄ばみなど、しみ抜きでも汚れが落ちきらなかった場合、汚れを隠すために生地の色と同じ色の染料を調合して汚れの上を染めていきます。汚れの色と染料の色が合わさって生地の色になるように考えて色を決めます。
  17. 乾かす
  18. 地直しをしたおきものを乾かします。
  19. 仕上げ
  20. 丸洗いやしみ抜きで汚れを落としたおきものを湯のしを行うことで綺麗に仕上げます。 仕上げは、湯のし釜による手湯のしを行っています。

お客様にお願いしたいこと

  • 自分でしみを落とそうとしない
  • しみをつけてしまった際に、ベンジンなどを使用して自分でしみを落とそうしないでください。しみを広げてしまったり、生地を傷めてしまったり、生地の色を落としてしまったりして、状態をより悪化させてしまう場合があります。 お食事のときに醤油などをつけてしまった場合は、あわてずに乾いた布で吸い取るように拭いてください。 そして次に着る予定がなければなるべく早くお近くの専門店へお持ちになってください。
  • 汚れをほうっておかない
  • しみをつけてしまった場合や、カビが生えてしまった場合は、ほうっておかずになるべく早く専門店へお持ちください。 しみは時間が経つにつれて落ちにくくなるため、ほうっておくと、しみ抜きにかかる費用が高くなったり、汚れが落ちなくなってしまったりします。 1度着たら必ず汚れると考え、次に着る予定がないのであればなるべく早く専門店へお持ちください。
  • 1年に2度の陰干し
  • しみの原因の一つにカビがあります。 タンスにしまいっぱなしにせず、できれば1年に2度程度、2,3日間の陰干しをしてください。
  • 畳紙をこまめに入れ替える
  • おきものを入れている畳紙(たとうし)は、できるだけこまめに入れ替えてください。畳紙が黄色くなる原因の多くはカビによる変色のため、ほうっておくと畳紙のカビがおきものに移ってしまいます。当店でも畳紙を販売しております。

丸洗いにかかる期間

混雑状況にもよりますが、通常1ヵ月半程度いただいております。
着用日が決まっている場合など、お急ぎの場合は、通常よりも早く作業することもできますのでお気軽にご相談ください。

丸洗いとしみ抜きの料金

お手入れ内容きものの種類通常料金(目安)感謝祭割引料金(目安)
丸洗い小紋¥6,000¥2,500
無地、紬¥7,000¥3,000
訪問着、喪服¥7,000¥3,000
振袖¥10,000¥4,500
江戸褄(比翼付き)¥12,000¥5,500
羽織、道行コート¥6,000¥2,500
長襦袢¥5,000¥2,000
しみ抜き汚れの状態により異なります。

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